資金繰りノウハウ3:「いちばん良い状態」で計画を立てない

良い状態を想定した計画では甘くなってしまう

資金繰り予測を立てるために絶対に必要なものが経営計画です。
月ごとの売上・原価・経費などを計画し、そして売上の回収サイトや、原価になるものの支払いサイトなどから入金、出金を予想する。このようにして、資金繰り予測を立てることができるます。

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経営計画はあくまで計画だから、良い計画を立てる経営者もいれば、悪い計画を立てる経営者もいるでしょう。
良い計画であれば、売上や利益が大きくなる予想になる。いちばん良い状態となった場合の経営計画を立て、それに基づいて資金繰り予測を立てることになる。そうすると当然、資金繰りはスムーズになる、という子測になります。
経営がいちばん良い状態になったとして立てられた資金繰り予測は、資金繰りに対する見方がどうしても甘くなってしまいます。
しかし、実際は、このようにうまく資金がまわることはなかなかなく、予測より実績が下方となることが多くなります。そのたびに資金繰り予測が修正していくことになるでしょう。
その結果、資金不足になるケースも出てくることになり、そのときには対策が間に合わないこともある。

いちばん悪いときに資金繰りがどうなるかを考える

資金繰り予測を立てるには、もとになる経営計画の数字は、厳しい数字を出していくことが望ましいでしょう。
いちばん悪い状態で売上・原価・経費はどのように推移していくのかを予想し、それに基づいて資金繰り予測を立てるのであれば、資金繰り予測は堅いものとなります。常に低く、低く、資金繰り予測が立てられているので、いちばん悪い状態となった場合、いつに資金不足が発生するのかはすぐに予測できます。
そのような事態に備えて早め早めの対策を打っていけば、資金繰りはうまくまわることになる。

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資金繰り予測を立てるときの鉄則は、「いちばん悪い状態で資金繰りがどのように推移するか」を考えることです。
資金繰り予測は、資金の不足を早い時期から予測し、それを克服するための対策を早めに考えるために立て、資金繰り予測のもととなる経営計画も悪い事態を想定して、厳しめに立てていくことになる。
資金繰り予測のもととなる経営計画を厳しめに立てるといっても、それと目標とするための経営計画とは別になります。売上・利益の目標を高く立てなければならないのは当然だが、目標を低くしてしまうと、業績アップのための行動をとりにくくなる。
資金繰り予想のための経営計画と、業績を高めていくために目標として設定する経営計画は、目的がまったく別であるため、別々に立てることが望ましいのです。

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