資金繰りノウハウ4:「節税」で資金繰りが苦しくなっていないか?

「税金を取られるから経費を使う」では資金繰りが悪化する

節税には、次の2つのタイプがあります。

①現金預金が減少しないタイプ
②現金預金が減少するタイプ

現金預金が減少しないタイプの節税は、国の政策により税金が控除される制度や減価償却を早く行なうことができる制度など、いろいろなものがある。

現金預金が減少するタイプの節税は、ただ単に、「会社に利益が出て税金で持っていかれそうだから、決算までに経費をどんどん使ってしまおう」という考えで、使わなくてもよい経費を使ってしまうことです。

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たとえば会社の所得が1,000万円を出そうな場合、税率が27%とすると 270万円の税金がかかる。
税金支払いのための支出は270万円になる。
この場合、経費を無理に使って、所得を100万円にまで落としたとする。そうすると、900万円の経費をかけこみで使ったことになる。
税金は、100万円✕27%=27万円と、270万円から 27万円まで激減させることができて、節税になり、トクをしたかのように見える。
しかし、現金の支出は、税金27万円+経費 900万円=927万円ということになる。
税金を支払いたくないばかりに、270万円の支出でよかったものを、927万円の支出としてしまったのです。これでは、資金繰りは破綻してしまいます。

現金が出て行かない節税を心がける

日本の企業の経営者は、節税好きな人が多い。
現金の流出をともなわない節税ならまだしも、現金の流出をともなう節税は、確実に資金繰りを悪化させます。
「節税第一主義」の考え方は、資金繰りを苦しくさせるだけなので注意しなければなりません。

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利益が大きく出るときは、税金が大きくなるのは仕方なくても、現金預金をできるだけ会社にためておくようにし、将来に備えることが重要です。
毎期毎期、経営がうまくいって利益が出ることはなかなかない。
利益が出るときに、いかに会社に現金預金を蓄えることができたかが、将来への備えとなります。

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