資金繰りノウハウ1:経営者が常に頭に入れておくべき、現金預金の量

「月間」に現金預金の保有量が、どう動くかをつかむ

中小企業経営者が頭に入れておかなければならないのは、常に企業に確保すべき現金預金の量。これを意識しておくだけでも、だいぶ違います。
もしかしたら、資金繰りに常に苦しんでいる企業とそうでない企業の違いは、経営者がこれを意識しているかどうかにあるのかもしれない。

常に企業に確保すべき現金預金の量とは、現金預金の最低水準のこと。月末に買掛金支払いや支払手形決済、銀行への返済を集中させている企業では、月末になると、最も現金預金が少なくなってしまうケースが多い。

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常に確保すべき現金預金の量を決めるために、まず自社が月間で現金預金の保有量がどのような動きをするのか、そのクセをつかんでおく。
ひと月のなかで最も現金預金が少なくなる日が分かったら、その日の現金預金量が、常に企業に確保すべき現金預金の量となる。
また会社の規模によって、常に企業に確保すべき現金預金の量は異なってくる。そこでg月間の売上を基準に、常に確保すべき現金預金の量を考える。

最低でも 1カ月分の現金を確保する

最低でも月商ひと月分の現金預金量を確保しておくといいでしょう。そうすれば、資金繰りはある程度安定します。
理想は月商3ヵ月分の現金預金量の確保ですが、中小企業にとっては現実的に厳しいと思います。

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また、売掛金の回収サイトが長い会社だと、1社あたりへの売掛金が多くなり、万が一貸し倒れになるケースも考えて、現金預金の確保を多くしておくといいでしょう。
1社や2社に集中して売掛金があるケースでも同様です。
私たちに相談にこられる中小企業のほとんどは、月商1カ月分の現金預金を確保していない。常に少ない現金預金のなかで、行き当たりばったりの資金繰りをしていると、こうなりやすいのです。
行き当たりばったりの資金繰りでは、不測の事態が起こったら対処しづらいし、何より経営者が資金繰り対策に追われ、本来行なうべき業績向上のための活動ができなくなっています。
常に企業に、月商1ヵ月分の現金預金を確保することを心がけるーこれだけでも資金繰りはよくなります。

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